ホラー映画『貞子3D』(2012年)からドラマ『この素晴らしき世界』(2023年)など、様々なジャンルでその都度、違う顔を見せてくれる俳優・平祐奈さん。昨秋放映されたファッションブランド「coca」のCMで14歳離れた姉で俳優の平愛梨さんとのCM初共演でも話題を集めた平さんにCHANGEを聞いた──。【第2回/全3回】

「私、“奇跡”にはすごく縁があるんです (笑)」
平祐奈さんにとっての「THE CHANGE」、それには「奇跡」が大きく関わっているという。どういうことか尋ねてみると。
「大きなターニングポイントという意味では舞台『奇跡の人』(2022年)だったと思います」
『奇跡の人』とは実在の人物で、見ない、聞こえない、話せないという「三重苦」の運命を背負ったヘレン・ケラーとその家庭教師のアン・サリバン先生の話を元にした戯曲。これまで映画化され、日本でも何度も舞台化されてきている。平さんが演じたのはケラー役だが、これまでの舞台では寺島しのぶ、鈴木杏、石原さとみ、高畑充希……といった錚々たる俳優陣が演じてきている。
「私にとっての初舞台。稽古場に行くことすらも初めてだったので、本当に何も想像できない世界でした。しかも三重苦のヘレン・ケラーの大変さをどう演じたら良いんだろうという不安もいっぱいあって。毎日が全身全霊で生きていている感じでした。映像作品とは違い、舞台は何か月前からも稽古するので、ひとつのセリフに対しても色々なパターンを出しますし、キャストみんなで深掘りしていくんです。『奇跡の人』を演じさせてもらったことで、お芝居の奥深さを知ることが出来たと思いますし、役との向き合い方がそれまでとは変わった気がしました」