お笑いで芝居をやってたから

 お笑い芸人での活躍と並行して、俳優としても活躍の幅を広げる。2000年にはドラマ『編集王』で主演。さらに、大河ドラマや朝ドラなど、数多くの名作に、俳優・原田泰造は欠かせない存在となった。俳優としての「CHANGE」はどこに?

「自分の中で“CHANGE”した、変化したっていう気持ちはあまりないんです。僕、『ボキャブラ(天国)』に出る前から、事務所に役者の仕事も入れていただいてたんですよ。だから、自分がどこから役者をやってる、みたいなのはわからない感覚で、そこはずっとお仕事として楽しくやらせてもらってました。ただ、当時はセリフを喋ってるだけなのに、ものすごく難しいんだなって、そんな感じに漠然と捉えてて、来たお仕事に向き合ってるという感じでした。

 主演に関しても、“やったぜ”と思ってる部分はあるんですけど、プレッシャーに押しつぶされて…みたいなことはなかったです。たぶんそれは、お笑いで芝居をやってたから、慣れてた、という部分はあるかもしれないですね。コントとはいえ、演じるというのはやってきているので。

 何よりデカかったのは、内村(光良)さんをずっと見ていたから。内村さんを見て、“内村さんのようにやればいいや”と、そんな感じはあったと思います。思い返すと、『笑う犬の生活』、あれは大きかったですね。あそこでやらせていただいたコントのおかげという面もあると思います」

 そんな原田さんには、2008年に『篤姫』、2010年には『龍馬伝』と大河ドラマのオファーも続く。

「僕、とにかく明治維新の話が大好きだから、その世界の中の人物になってる自分が嬉しくてたまらないんですよ。近藤勇だとか、大久保利通とか。司馬遼太郎の世界をやれるっていうことで、テンション上がってました」