「お父さん」の役が増えた
ドラマの世界で次々に声が掛かるようになり、徐々に年代的にも「お父さん」の役が増えてくる。連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年)の頃も印象的な役柄だった。
「確かに、『ごちそうさん』あたりからお父さんという役柄が増えたかもしれないですね。もうね、お父さんだけじゃなく、2~3年前にはついにおじいちゃんもやりましたから。そういうのが増えれば増えるほど嬉しいんですよね」
そして、今回は『クレヨンしんちゃん』の未来の野原ひろし。様々な父を演じてきた原田さんが思うひろしの魅力とは。
「ひろしって結局、度量が大きいんだと思います。しんのすけがいたずらするんだけど、最後は笑ってる、みたいな。言葉にすると、幸せって何なのかを知ってる人、ってことかな。そこは何か感じますよね」

インタビューの最後に、現在放送中の大河ドラマ『べらぼう』では三浦庄司役ですね、と振ると「僕、今まで(大河ドラマでは)明治維新しかなかったので、やっと徳川の時代に行ったので嬉しくて嬉しくて、仕方ないんです」と満面の笑みを見せてくれた原田さん。それぞれの役を、作品を「嬉しい!」と軽やかに話す原田さんのスタンスは、まさに幸せを知る人、という感じがした。
原田泰造(はらだ・たいぞう)
1970年3月24日生まれ。東京都出身。「ネプチューン」のメンバー。90年代に一世を風靡したバラエティ番組『タモリのSuperボキャブラ天国』(フジテレビ系)出演をきっかけにブレイク。お笑い芸人として活躍するほか、俳優として多数の作品に出演。NHKの連続テレビ小説『ごちそうさん』、大河ドラマ『篤姫』『龍馬伝』など、ドラマ、舞台、映画と多方面で活躍。現在放送中の大河ドラマ『べらぼう』に田沼意次の側近三浦庄司役で出演中。