年齢を重ねるほどに表現の幅を広げ、さまざまな作品に色を添えるだけでなく、俳優、モデルとしての仕事、キャスターなどまったく違うジャンルへの挑戦を果敢に続けている板谷由夏さん。強さと柔らかさを持ち合わせる板谷さんが大事にしているのは“変化し続けること”。その言葉が持つTHE CHANGEの意味や、いま改めて挑戦するドラマ『いつか、ヒーロー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)についてお聞きしました。【第1回/全3回】

ドラマ『いつか、ヒーロー』は、20年間消息不明だった謎の男が、夢を失くした若者たちと共に、腐った巨大権力を相手に立ち向かう“不屈の復讐エンターテイメント”。人間味あふれる物語でありながら、まったく先が読めない展開の脚本に、板谷さんも魅了されていると話す。
「あらためて、林宏司さんの脚本は骨太で、本当に面白いなと思いました。それぞれの登場人物が持つ魅力もそうですが、描かれている街も独特な表現のされ方をしていたので、どんな映像になるのかとワクワクしながら読み進めていきました」
今作で板谷さんが演じる“西郡十和子”は、テレビ局の政治エース記者。泥臭い手法で大物政治家に食い込む記者として登場するが、物語の前半では謎に包まれている。
「ドラマの中盤から明かされていくのですが、十和子がいまのような記者になっているのには、重要なバックボーンがあるんです。さらに桐谷健太さんが演じる“赤山誠司”が登場したことで、彼女はかなり複雑な境地に立たされていき……」