ドラマ『いつか、ヒーロー』では敏腕政治記者という役どころ

「十和子も、赤山もそうですが、林さんは登場人物に対して、決して一面だけではなく、裏はもちろん、幾重にも重なっている面を描いてくださるんです。だからこそ、赤山のかつての教え子たちの心情や状況、環境などもしっかりと描かれていくので、かなりの見応えがある作品になっているはずです」

 児童養護施設の教員として働いていた赤山が姿を消して20年。その間、教え子たちに降りかかる事件や、抱えているものは、現在の社会問題が色濃くにじむ。

「いまは、どんなニュースを見ていても、胸が苦しくなるものが多いですよね。私にも息子がいるので、若者たちが今後、この生きづらい世界をどう生きていくのかと案じてしまうことがあるんです。
 それは私たち大人の責任でもあるんですが、林さんがこのドラマでしっかりと切り込み、問題提起してくれると、見てくれた方たちが“ちゃんと考えなくちゃいけないな”と思ってもらえると思うんです」

板谷由夏 撮影/有坂政晴