千鳥さんたちに“あざとい”と言っていっていただいて

 退社後各局のバラエティ番組に出演。イメージが定着。そこにいわゆる「戦略」はあったのだろうか。

「『(踊る!)さんま御殿‼』や『ダウンタウンDX』など、初めて出演した番組でいじっていただけましたし、『相席食堂』もそうでした。その時期、ドラマも初めてやらせていただいて、MC業に関しても、初めましての人たちとたくさんお仕事をさせていただいたんですけど、そこにはあまり“戦略”的なことはなくて、かなり自然の流れでやれていました。たぶん “戦略”でこうしよう、と決めてしまうと、あとで整合性が取れなくなって、自分の首を絞めそうだなって思ったので、基本、自然体で。それでハマらなかったらもう諦めようって思ってやっていたら、千鳥さんたちに“あざとい”と言っていっていただいて、それがキャラになりました。
 ただ、“戦略”とは違うんですけど、いじっていただく隙を作る、みたいなところはあったと思いますね。元々ツッコまれ待ちみたいなところはあったので(笑)、そこがうまく出たのかなと思います」

 テレビ東京のアナウンサー時代は、バラエティを初め、報道情報系も含め幅広く活躍した。安定を手放してまでフリーを選んだのはどんな思いがあったのだろう。

「アナウンサーの仕事は楽しかったんですけど、守られている分だけ、挑戦できることは限られてきてしまうというのは感じていました。2年目、3年目ぐらいから、もっと色々なことをやってみたいと思うようになって。でも、やってみたいけどアナウンサーである以上、踏み込めない、という部分が増えてきたので、今の会社員という安定を捨てないとできないなって思って、決断しました」

 森さんが「安定を捨てないとできない」と思えた一つのジャンルが「お芝居」。

「元々ドラマが好きだったということもあって、演じるお仕事というのはやってみたいとずっと思っていました。何をやりたいかな?って自分で突き詰めたときに一番に出てきたのが“お芝居”だったんです」