「やめましょう、悲観するのは」加藤浩次が見ている次の時代
──少しでもネガティブな声が届くと、それが大きな声のように反応するところはある気はしますね。
「すぐに“ヤバイ!”ってなるじゃないですか。でもこうした動きも、次の世代が中心になってきたら、変わる気がします。“はいはい”って感じで。例えばスポンサー側も、“SNSで挙がってきているのがこの人数だったら、別に問題ないでしょう。正しく事象を見ましょう”と。そこはね、ちゃんと真っ当になっていくものだと思いますよ」
──真っ当になっていく。
「コンプラにしたって、SNSにしたって、受け止め方が正しくできていなくて、振り回されているところがあるかもしれないけれど、人間ってそんな捨てたもんじゃないから。いろいろな意見があって、いろいろ問題あって、紛糾して。それで結局、ちゃんと着地しますよ」
──なんだか、頼もしいお話です。
「それがいつになるかは分からないですけどね。でも炎上とかいいつつ、一部の人間なんですよ。もちろん、マイノリティの声も大事ですよ。そうした意見も黙殺せずに受け入れながら、次に進むという世の中に、ちゃんとなっていきますから。僕はこの先のことも悲観していないです。みんな悲観したがるけどね、やめましょう、悲観するのは」
かつて“狂犬”と呼ばれた加藤さん。“人間ってそんな捨てたもんじゃない。いろいろな意見があって、紛糾して。結局、ちゃんと着地する”“やめましょう、悲観するのは”という力強い言葉に、うなずきたくなった。
かとう・こうじ
1969年4月26日生まれ、北海道出身。89年に上京し、佐藤B作率いる「劇団東京ヴォードヴィルショー」の養成所に入団し、そこで出会った山本圭壱と「極楽とんぼ」を結成。同年、吉本興業に入所。93年にネタ見せ番組『新しい波』に出演し、レギュラー番組『とぶくすり』に出演。『めちゃ×2 モテたいッ!』を経て96年より『めちゃ×2 イケてるッ!』が開始、高い人気を誇る。『がっちりマンデー!!』(TBS系)MC、『スッキリ!!』総合司会など、お笑いの枠に留まらない活躍を続けている。21年からは個人事務所に所属。短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS』Season7の1編『Victims』で初監督を務めている。
●作品情報
『MIRRORLIAR FILMS』Season7『Victims』
監督・脚本:加藤浩次
プロデューサー:下京慶子、三輪夕奈、鈴木悌之
出演:矢本悠馬、田辺桃子、奥野瑛太、嶋田鉄太、雛形あきこ