演出家・栗山民也とは8年ぶり二度目の作品
江口さんが演じる長女・ヘーゼルは、歯に衣着せぬ物言いが小気味良いキャラクター。
「テンポの良い会話がずっと続いていくので、そこは大事なんですけど、その中でも、日常の物語なので、生活感は大事にしたいですよね。旦那に職がなくて、来月のローンを払ったらもう、すっからかんな状態で。
そういう経済的に苦しいというのもあるし、移民に旦那の仕事を取られてるという思いも持っているし、母親が亡くなって、残された父ひとりの生活に対する思いというのもありますし、ヘーゼルが背負っているものはたくさんあるんですよね。それを忘れることなく、やらなきゃいけないなと思っています」
演出家・栗山民也さんの演出を受けるのは8年ぶり。稽古の中で、栗山さんの存在、印象をどう感じられているのだろうか。
「相変わらず怖いです。とっても怖い方です。優しいんですよ。優しいんですけど、視線が怖い(笑)。演出を受ける中で、この戯曲を読み解く解釈を私たちは日々聞くわけですよね。
そうすると、とても勉強になるし、それを聞くことによって、自分の中でこの戯曲の取り組み方が、一歩一歩深いものになっていく感覚があるんです。だから、みんな楽しそうですよ。私もとても楽しいです。演劇って面白いなって、みんながそう感じているんじゃないですかね」