脚本家・桑原亮子は、2022年下半期にNHKで放送された連続テレビ小説『舞いあがれ!』を執筆。福原遥をヒロインに迎え、赤楚衛二や高橋克典、永作博美、関ジャニ∞の横山裕、ピースの又吉直樹、高畑淳子など豪華なキャスト陣が集結し、ものづくりの街・東大阪と長崎県の五島列島を舞台に「空を飛ぶ」ことを追いかける人々の姿を描いた。
放送終了から約2か月後、作中の登場人物による詩歌が収められた「トビウオが飛ぶとき 『舞いあがれ!』アンソロジー」が発売されたことを機に、桑原さんの人生の「THE CHANGE」に迫った。【第2回/全3回】
『舞いあがれ!』の脚本を担当した桑原亮子さんは、ラジオドラマから始まり、テレビドラマの脚本を多く執筆している。『舞いあがれ!』の作中は現在より少し昔、平成で通信機器はガラケーが主な手段だった。スマートフォンの登場以来、エンタメ業界にも様々な「THE CHANGE」が起きているが、桑原さんは時代の変化についてどう考えているのだろうか?
「最近はスマートフォンやタブレットでもエンタメ作品を視聴できるようになりました。より気軽に観られるようになったのは視聴者の一人として、ありがたいことだと思っています」と切り出す桑原さんは、「テレビドラマの脚本」を書くことの真剣な覚悟を語ってくれた。
「一方、私がいま主に担当しているのはテレビで放送されるドラマの脚本です。このドラマが他のエンタメ作品と違うところは、“観よう”と思ってご覧になる方ばかりではないという点です。スマートフォンだと、ほぼすべての方が“観よう”と思って能動的にご覧になりますが、テレビはそうではありません。