「さまざまな方がご覧になるのだと肝に銘じ」桑原さんが執筆で気を付けていること

“たまたまついているテレビで、ドラマを放送しているからなんとなく観ている”という方も多いのです。その中には、しんどくてドラマどころじゃない方もいらっしゃいますし、そもそもドラマなんか嫌いだという方もいらっしゃるはずです。そのことを忘れないでいようと思っています。

 さまざまな方がご覧になるのだと肝に銘じ、たとえば、無闇に斬りつけるようなセリフを書かないことなどを大切にしています。そしてできれば、なんとなくドラマをご覧になった方にも何か得るものがあるような、そんなドラマの脚本を書けたらいいなと思っています」

桑原亮子 撮影/吉村智樹

 桑原さんは2013年、『星と絵葉書』で第41回創作ラジオドラマ大賞で奨励賞を受賞し、脚本家としてのキャリアをスタートさせた。お仕事を始めた当初と現在で「CHANGE」と迎えたもの―「変わったもの」と「変わらないもの」はあったのだろうか?

「“変わったもの”は仕事の分量です。お仕事をたくさんいただけるのはありがたいことではありますが、時間的な余裕がなくなりました。

 “変わらないもの”は、よい脚本を書きたいという気持ちです」