小林幸子流、自分自身を鼓舞する方法
──どんなふうに?
「自分を褒(ほ)める! とことん褒める! そうするともうひとりの自分が出てきて“そうじゃないんじゃない?”と戒めるんですね。褒める自分と戒める自分が対峙(たいじ)することで、自分を高めていけるのではないかと思います。そして、大事なのは、覚悟。やり続けることに覚悟がいるように、辞めるのにも覚悟が必要です」
どちらを選んでも、覚悟を持って選んだ道を選ぶ──。
小林幸子は、歌い続ける道を、覚悟をもって歩んでいる。
「わたしは歌が好きで、歌うから幸せだけど、歌うからいろいろな困難にぶち当たるの。でも、歌うことが好きだから、つらいとは思わない。だって、つらいと思うことは、自分を哀れむことだから」
最後に、デビューからの60年は長かったのか、あっという間だったのか聞いてみた。
「歌手として60年生きるのは初めてだから、わからないです(笑)。 でも、1回目の東京オリンピックの年にデビューして、2回目は新潟で聖火ランナーをやらせていただきました。それが、60年という年月なのではないかと思いますね」

小林幸子(こばやし さちこ)
1953年12月5日生まれ。新潟県出身。1964年、10歳で『ウソツキ鴎』でデビューし、天才少女歌手として注目される。『おもいで酒』『雪椿』『もしかして』などヒット曲多数。34回出場した『NHK紅白歌合戦』では、豪華な衣装が視聴者にとって大晦日の楽しみとなった。新潟県新潟市のNSG美術館にて『小林幸子 ふるさと凱旋衣装展〜ラスボスのキセキ〜』が2025年8月24日まで開催中。6月27日(金)から公開される劇場用アニメ『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』のエンディング主題歌『僕たちの日々』を担当。
芸能生活60周年記念 小林幸子 ふるさと凱旋衣裳展 〜ラスボスのキセキ〜
【開催概要】
日時:2025年3月20日(木)〜8月24日(日)
会場:NSG美術館(新潟市)
入場料:一般 700円(高校生以上)
中学生以下 無料
開館時間:10:00〜17:30(最終入館 17:00)
公式サイト:https://www.nsg-artmuseum.jp/