脚本家・桑原亮子は、2022年下半期にNHKで放送された連続テレビ小説『舞いあがれ!』を執筆。福原遥をヒロインに迎え、赤楚衛二や高橋克典、永作博美、関ジャニ∞の横山裕、ピースの又吉直樹、高畑淳子など豪華なキャスト陣が集結し、ものづくりの街・東大阪と長崎県の五島列島を舞台に「空を飛ぶ」ことを追いかける人々の姿を描いた。
放送終了から約2か月後、作中の登場人物による詩歌が収められた「トビウオが飛ぶとき 『舞いあがれ!』アンソロジー」が発売されたことを機に、桑原さんの人生の「THE CHANGE」に迫った。【第3回/全3回】
『舞いあがれ!』の脚本を書いた桑原亮子さん。相手を思いやる優しい登場人物たちが好評を博した同作の作者である桑原さんが、連続テレビ小説のなかで好きな作品は何だったのだろうか?
「『カーネーション』がとても好きです。渡辺あやさんの書かれるセリフも素晴らしかったですし、ヒロインの糸子が力強く人生を切り開いていく姿に励まされました」
『舞いあがれ!』では福原遥演じるヒロイン・岩倉舞の「パイロットになる」という夢と挫折、そして東大阪の町工場と家族、五島列島とそこにいる人々、赤楚衛二演じる幼なじみ・梅津貴司の歌人としての苦悩など、さまざまな要素が半年間かけて重層的に描かれていた。
23年3月21日には「連続テレビ小説『舞いあがれ!』トークショー」が行われたり、『舞いあがれ!』の最終回放送日だった3月31日には東大阪市で『舞いあがれ!感謝祭』が開かれるほど好評を博したが、桑原さんが今後の作品で取り上げたい、興味がある題材は何なのだろうか?
「法律と、それを取り巻く人々を描きたいと思っています。長く法律を勉強してきて、人間の欲望や喜怒哀楽がこれほど絡むものもないと感じているからです。弁護士、検事、裁判官の、これまで誰も観たことのないドラマを書きたいです」と話す桑原さん。『舞いあがれ!』の題材からはがらりと雰囲気を変え、「THE CHANGE」を迎えた新作も期待できそうだ。