桑原亮子さんが語る『滑走路』との関係
萩原氏の『滑走路』と『舞いあがれ!』について、桑原さんはどう考えていたのか。
「萩原慎一郎氏と面識はありませんが、同世代の歌人として存じ上げており、『滑走路』も拝読しております。
視聴者の中には“貴司のモデルはきっと萩原氏だ”という方もいらっしゃるそうです。けれども、貴司に特定のモデルはおらず、私がこれまでに出会った多くの学生歌人や社会人の歌人を思い浮かべて創造したキャラクターです。『滑走路』は素晴らしい歌集ですので、『舞いあがれ!』と関連があるのでは?と言っていただけるのは光栄ですが、思いがけない偶然によって幾つかの共通点ができたというのが本当のところです。
『舞いあがれ!』で短歌に興味を持ってくださった方に、萩原氏の短歌もお読みいただけると嬉しいです」
多くの人に愛されている『舞いあがれ!』をきっかけに、今まで未知だった世界に羽ばたいていく視聴者はたくさんいることだろう。
■桑原亮子(くわはら・りょうこ)
脚本家、歌人。京都府出身。2013年、『星と絵葉書』で第41回創作ラジオドラマ大賞で奨励賞受賞。その後、NHK-FMでラジオドラマの脚本を多数執筆。20年のNHK土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』、よるドラ『彼女が成仏できない理由』などののち、NHK22年後期の連続テレビ小説『舞いあがれ!』の脚本をつとめた。著書に「トビウオが飛ぶとき 『舞いあがれ!』アンソロジー」(KADOKAWA)。