演出の木村龍之介さんとの縁は…
「捨て身ですよ」と笑って見せるがその意欲は言葉から伝わってくる。
「五線紙上にも、文字にも脚本にも描き切れないところが舞台上で描かれる。生身の役者たちがそろって肉体表現することで言葉が音になる。シェイクスピアとAIの世界であるけれど、最後は人間の命という部分が浮き彫りになってくると思っています」
今作の演出・木村龍之介さんと宮川さんをつなぐ縁は、蜷川幸雄さん演出の舞台『身毒丸』にあるという。
「彼が学生時代に僕の音楽で蜷川幸雄さん演出の『身毒丸』を映像で観たことが演劇に興味を持つきっかけだったらしいんですね。
ある時、龍之介くんが演出する『ロミオとジュリエット』を観たんですけど、音楽がずっと流れてるんですよ。ジュリエットが何か言うと音楽が流れ、パッと変わって、ロミオの場面になると、また違う音楽がコンコンと流れている。これ、どこかで聞いたことがあるというか、観たことがあるなと……。おそらく、僕がまいた種なのか、本人には聞いていないですけど、他人ごととは思えない作品だなと感じたんですね」