『クインテット』のアキラは基本的に話さない

「アキラ」の宮川さんをはじめ、「スコア」の斎藤晴彦さん、「フラット」の玄田哲章さん、「アリア」の茂森あゆみさん、「シャープ」の大澄賢也さんと個性的な面々が集まった。

「ひと癖もふた癖もある人たちが集まったよね(笑)。全員役者なのに(表に)出てたのは僕だけという。それがもう僕の好奇心を満足させるんだよね。してやったり、みたいな。普段表に出ないスタッフが出て、でも言葉は発せずボディーランゲージ。それで毎週クラシックからCM音楽まで何でもかんでも取り扱う。10年間本当に痛快だったね。そのプロデューサー(近藤康弘さん)が今年亡くなられたんですけど、ずっと『おかあさんといっしょ』の立ち上げから携わられた方で、本当に感謝の気持ちでいっぱいですね」

『クインテット』を見て育った世代は他の番組で宮川さんが喋っていると「喋るんだ!」と驚くという。このキャラクターにはEテレのレジェンドも息づいているという。

「僕は喋らなかったっていうのは、ノッポさん(高見のっぽさん/『できるかな』でノッポさんとして出演)の影響が先にあるんですよね。ノッポさんのスタイルでやればいいんだ、っていうのを思いついて、結果そうなったわけだけど、僕はノッポさんとも親しかったので、あの形式でやることができたのも嬉しかったですね」

 番組は2013年、10年間で幕を閉じる。

「充実感は今でも手触りが残ってますね。終わるって聞かされたときに“いや、本当に辞めちゃっていいんですか?”って一応言いましたからね(笑)。そろそろ来るなとは思ってましたけど、“本当にいいんですよね”と。“頑張ればあと2年は行けますよ”って(笑)。でも、800曲、900曲とかになってくると、ちょっとだけマンネリ化というのが、少しだけ芽生えた頃でもあって、そこで区切りをつけるのもいいかな、という思いもありました。とても楽しい10年でした」