1971年のデビューから55周年。コンサートに舞台公演にと精力的に活動し続けている歌手、研ナオコ。「夏をあきらめて」「かもめはかもめ」「あばよ」ほか、数多くの代表曲を持つ傍ら、タレント業や俳優業での知名度も高く、特にザ・ドリフターズとの共演やレギュラーを務めたバラエティ『カックラキン大放送!!』などで人気を誇ってきた。すっぴんからのメイク動画をアップするなど、有名人が自身のYouTubeチャンネルを成功させた先駆けでもある。老若男女問わず支持されてきた研さん。そのTHE CHANGEとは――。【第3回/全4回】

研ナオコ 撮影/冨田望 ヘアメイク/堀ちほ

 研さんは1970年に静岡から上京し、翌年、歌手デビューを果たした。

――初めて東京でお客さんを前に歌ったときのことを教えてください。

「私の舞台じゃなかったんです。だから一生忘れません。新宿コマ劇場で、歌手で役者もされている方の前座でした。降りたどん帳の前、1メートルもないステージに、下手側から入っていってデビュー曲(「大都会のやさぐれ女」)を歌わせてもらったんです。“いつか逆転してやる。お前を抜くぞ!”と思いながらね」

――そうした気持ちは大事ですね。

「絶対に必要です」

ーーお客さんの出入りがある中で歌われたのでしょうか。

「もちろん、全然落ち着かないです。“いつかみんなを振り向かせるぞ”と思いながら歌っていました。そのときの光景は一生忘れません」

――いつか逆転してやるぞと。

「いまだに思ってますよ。逆転してるかどうかも分からないですけど」