生まれて初めて、自分の言葉に魂が入ったように感じました
「アメリカが報復したら、これはもう血の連鎖になる。政治的にこの不平等を解決しない限り、問題は終わらない」と、現地からレポートしたんです。2週間滞在して帰国すると「長野、キミのレポートは本当によかったぞ」と、各方面から褒めていただきました。現場に行って、自分で見て感じて聞いたことを伝えたっていうことで、生まれて初めて、自分の言葉に魂が入ったように感じました。
昨年からは、文化放送でラジオの情報番組『長野智子アップデート』を、毎週月曜から金曜の15時半から、生放送でお送りしています。
テレビでは、取材をしたものを伝える感じでしたが、ラジオはゲストの方のお話を聞くことが多くなるので、そのスイッチを入れ替える作業がしばらくありましたね。また、「ラジオはエピソードが大事なんですよ」と、共演の鈴木純子さん、鈴木敏夫さんに言われたのを心に留めるようにしています。
実は文化放送とは、深いご縁があるんです。というのも私、40年前の大学生時代に、文化放送で『ミスDJ』をやっていたんです。でも当時、一緒にやっていた川島なお美ちゃんや千倉真理ちゃんが華やかで上手で、一方の私はポンコツで……。ディレクターさんに、「おまえのしゃべりはリスナーさんに届かない」って言われ、自信喪失して辞めちゃったんです。
その後、大学4年生のとき、そのディレクターさんに四谷の道端でばったり会ったですよ。「何してんだ」と聞かれたので「教職取ります」って言ったら、「もったいない。ミスDJの中で一番アナウンサー向きなのは長野だったから、厳しくしたんだぞ」って。
「あなたが厳しくしたから私、辞めたんです」って言いたかったけど、それでちょっとテレビ局の採用試験も受けようかなって (笑) 。それで私、アナウンサーになったんですよ。だからこのラジオの仕事は、私にとって「40年ぶりのリベンジ」という意味もあって、何だかとても嬉しいです。
長野智子(ながの ともこ)
1962年12月24日、米国・ニュージャージー州生まれ。上智大学外国語学部を卒業し、85年にフジテレビ入局。90年、結婚を機にフリーに。95年に渡米しニューヨーク大学大学院入学。卒業後はジャーナリズムの世界で活動している。現在は、文化放送『長野智子アップデート』(月15時30分~17時、火~金15時30分~17時35分)に出演中。