70年代に清純派として人気を集め、多くのドラマ、映画で活躍した俳優・仁科亜季子さん。芸能一家で育った仁科さんだったが、これまでの人生は実に波乱万丈ともいえる。特に90年代以降は4回もの大病に見舞われたにもかかわらず、その都度試練を乗り越えてきた。そんな体験を経て、なお現在も現役で活躍し続ける仁科さんのCHANGEとは──。【第3回/全4回】

1972年にデビューを果たした仁科さんだったが、77年に芸能活動を休止する。活動期間だった約5年間を仁科さん自身は”第一期活動期”と呼んでいるが、この”第一期~”で印象に残っている作品について問うと──。
「デビュー作の『白鳥の歌なんか聞えない』もですが、ドラマでいうと、その後に出させていただいた『赤ひげ』ですね」
『赤ひげ』は山本周五郎原作の『赤ひげ診療譚』を原作とした時代劇。黒澤明監督、三船敏郎主演で映画化(65年)もされたことのある作品だ。
「放映期間が1年間で、とても長丁場でしたし、赤ひげ役の小林桂樹さんをはじめ、あおい輝彦さん、浜木綿子さんといった先輩方と御一緒させてもらい、俳優としてはとても勉強になったし、成長させてもらえたと思います。脚本の倉本聰先生にはとっても可愛がっていただいて、1年間みっちりしごいていただきました」