「○○ちゃんのママ」といった呼び方への考え

――『名前、呼んでほしい』とのタイトルですが、沙穂と涼太は互いを「◯◯くんのパパ」「◯◯ちゃんのママ」として付き合っています。子どもができると、家庭でも外でも、そう呼ばれるというのはよく聞きます。

「そうですね。私の場合は“田中麗奈”という名前での仕事があるので、自分の名前を呼んで欲しいといった感覚は、正直、自分の生活にはないかもしれません。ただ誰それのパパ、ママ、のような、何かに属しているのとは違う、“自分自身”というものを、呼んでもらいたい、認めてもらいたいという気持ちはあるものだろうと感じます」

田中麗奈 撮影/冨田望