俳優としてのスイッチが入った瞬間
そんな東さんの中で俳優としてのスイッチが入ったのは『再婚トランプ』(98年・TBS系)だった。30歳で夫と死別したシングルマザーの女性の再婚後を描く物語で、東さんは主人公の朋美を演じた。
「これは昼ドラだったので、撮影は過酷でした。スタジオで寝泊まりするぐらいの勢いでしたし、ロケもすごくありました。この時、“あなたが座長なんだから、みんなを引っ張って良いのよ。監督にも物申しても良いのよ”って大ベテランの俳優さんに言われたんです。俳優としてのスイッチが入った瞬間でした」
バラエティ番組やドラマへの出演を重ね、MC、俳優とマルチに活躍していた東さん。プライベートでは、2003年に結婚。その後、2009年に夫がジストニア痙性斜頸という難病に罹患していることが判明する。
「ずっと医療ボランティアをしていたこともあって、人生には様々な事が起こるんだという考えを持っていましたから、そのこと自体で私の人生が大きく変わったということはありませんでした」
芸能界の仕事と並行して社会福祉活動も積極的に行なっていた東さんは、2012年に一般社団法人「Get in touch」を立ち上げた。
(つづく)
東ちづる(あずま・ちづる)
広島県生まれ。会社員を経て25歳から芸能活動を始める。料理番組『金子信雄の楽しい夕食』(朝日放送)で初代アシスタントを、テレビドラマ『温泉若おかみの殺人推理』(テレビ朝日系)では23年間主演を務める。プライベートでは骨髄バンクやドイツ平和村、障害者アートなどのボランティアを30年以上続け、2012年に誰も排除しない“まぜこぜの社会”を目指す一般社団法人「Get in touch」を設立し代表として活動中。2024年公開の映画『まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり』では企画・構成・プロデュース・出演と一人4役を務めた。公開待機作品に『シケモクとクズと花火と』がある。著書の「妖怪魔混大百科」(ゴマブックス)を基に、今夏以降、マンガやマスコット等展開予定。
●7/27(日) まぜこぜ一座「月夜のからくりハウス~楽しい日本でSHOW!?~」渋谷区「さくらホール」にて開催。
【作品情報】
映画『真夏の果実』
出演:あべみほ 奥野瑛太 佐野岳 小原徳子 東ちづる 仁科亜季子 他
脚本:松本稔
監督:いまおかしんじ
5月17日(土)より東京・新宿K‘s cinema ほか全国順次公開
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
(c)2025「真夏の果実」製作委員会
公式サイト: https://www.legendpictures.co.jp/movie/midsummer_fruit/