大学4年生で『大人計画』に加入

――進学は愛知県にある大学に。

「はい。そこの演劇サークルに入って、舞台が好きでどっぷりやってたんですけど、いざ4年生になって就職活動となったとき、“就職したらお芝居をやることもないんだな”と思ったんです。それで、名古屋から安い高速バスで東京までちょこちょこ来て、友達の家に居候させてもらって、結局、大学4年生のときに『大人計画』に入りました」

※劇団「大人計画」:松尾スズキさん主宰の人気劇団で、温水さんは1988年から1994年まで所属。

――やはり俳優で行く道を選んだんですね。

「その後、竹中直人さんとか明石家さんまさんとか、いろんな方との出会いがあって。あのころはただ役者が好きで、舞台に立って、というだけだったのに、お芝居のお仕事だけじゃなくて、まさかこんなにバラエティとかにも自分が出るようになる姿は想像もしていませんでした」

“ケセラセラ”で流れるままに来たと言う温水さんが、“ただ役者が好きで”という大きな根っこを持っていたからこそ、いまの姿がある。

温水洋一 撮影/三浦龍司

ぬくみず・よういち
宮崎県都城市出身、1964年6月19日生まれ。1988年から94年まで劇団「大人計画」に所属。数々の小劇場出演を経て、遊園地再生事業団、村松利史プロデュース、竹中直人の会などに出演。2000年の舞台『七人ぐらいの兵士』での明石家さんまとの出会いをきっかけに、バラエティ番組でも人気に火が付いた。主な出演作に、映画『119』『ダメジン』、ドラマ『BOSS』シリーズ、NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』『マッサン』、大河ドラマ平清盛』『真田丸』など。舞台、映画、ドラマとジャンルを問わず多数出演している個性派俳優。現在出演中の舞台、ケムリ研究室no.4『ベイジルタウンの女神』は全国公演中。8月31日からはBunkamura Production 2025『アリババ』『愛の乞食』に出演予定。フジテレビのバラエティ番組『ぶらぶらサタデー タカトシ温水の路線バスで!』にレギュラー出演中。最新出演映画である大地真央主演『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』では天使役を演じている。

『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』
監督・撮影:曽根剛
脚本:池田テツヒロ
出演:大地真央、黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香、温水洋一、木村祐一、市川右團次
配給・製作:日活、東京テアトル