都城市の観光大使として銅像、美少女VTuber、AIなど幅広く活動
――確かに普段着のままだと格好がつかないですね。ところで、いろんな役を演じている温水さんですが、近年は、出身地の宮崎県都城市の観光大使としての活動で、美少女VTuber“ぬくみん”になったり、新たに“AI温水洋一”になったりしているのも話題です。
「最初は都城市のPRのために普通にやってたんですけど、だんだん反響が大きくなってきて。広告のクリエイターの方たちが、“さらに!”ということで、ついに2024年にはAIになりました。都城市で、本物の市長さんと一緒に撮ったんですけど、“たぶん、来年もまたよろしくお願いします。ハードルがまた上がるかもしれませんけど”と言われました。“ええ!”と思いましたが(笑)、まあ僕も楽しいし、地元のPRのお仕事だし」
――宮崎ブーゲンビリア空港にある、温水さんの銅像が設置されたベンチの「ひなたぬくぬくベンチ」も印象的です。
「あれは宮崎県のお仕事で、はじめは2016年の12月から2017年の12月の1年契約でした。それが好評だったみたいで3年延長になって。そのあと宮崎県との契約は終わったので、“あのベンチ、どうなるのかな”と思っていたら、宮崎空港ビルが“差し支えなければ、このままここに置かせてもらえませんか?”と。“ギャランティはないんですけど”ということだったんですが、もちろんそういうつもりでやったわけじゃないので。それで今もあのベンチはあそこにあります」
――一緒に撮影している人も多いようで今も人気ですね。
「僕としてはただ銅像が置かれているだけで、タクシー運転手を演じて“あれ、さっきの銅像の人ですよね”と言われたりする、宮崎を舞台にしたドラマに出たりして。あのベンチから派生したドラマを3本くらいやりました」
さすが唯一無二の個性派俳優。キャラクターの幅が広いどころじゃない活躍である。
ぬくみず・よういち
宮崎県都城市出身、1964年6月19日生まれ。1988年から94年まで劇団「大人計画」に所属。数々の小劇場出演を経て、遊園地再生事業団、村松利史プロデュース、竹中直人の会などに出演。2000年の舞台『七人ぐらいの兵士』での明石家さんまとの出会いをきっかけに、バラエティ番組でも人気に火が付いた。主な出演作に、映画『119』『ダメジン』、ドラマ『BOSS』シリーズ、NHK連続テレビ小説『ウェルかめ』『マッサン』、大河ドラマ『平清盛』『真田丸』など。舞台、映画、ドラマとジャンルを問わず多数出演している個性派俳優。現在出演中の舞台、ケムリ研究室no.4『ベイジルタウンの女神』は全国公演中。8月31日からはBunkamura Production 2025『アリババ』『愛の乞食』に出演予定。フジテレビのバラエティ番組『ぶらぶらサタデー タカトシ温水の路線バスで!』にレギュラー出演中。最新出演映画である大地真央主演『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』では天使役を演じている。
『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』
監督・撮影:曽根剛
脚本:池田テツヒロ
出演:大地真央、黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香、温水洋一、木村祐一、市川右團次
配給・製作:日活、東京テアトル