昨年還暦を迎えたベテランながら、変わらず“ぬっくん”の愛称で親しまれ続ける俳優、温水洋一。舞台や映像作品での独特の存在感はもとより、“ぬっくん”呼びの名づけ親でもある、明石家さんまとの共演に代表されるバラエティ番組での活躍からも世代を問わず愛されている。そんな温水さんのTHE CHANGEとは――。【第4回/全4回】

“お芝居が好き”という強い気持ちを軸に、“ケセラセラ、なるようになる”精神のもと、竹中直人さん、明石家さんまさんなど、多くの人との出会いを重ね、いまに繋げてきたという温水さん。そうして積み上げてきた長いキャリアにおける、ピンチの瞬間はどんなときだったのだろう。
「一度舞台に穴をあけたことがあります。1995年かな、椎間板ヘルニアで大手術をしたんです」
――そうなんですか!
「そのころ、引っ越し業者でアルバイトをしていて、ぎっくり腰をやったんですけど、そこからずっと我慢してたんです。そしたら坐骨神経痛になってしまい、舞台上でも、じ~っと立ってられなくて。歩いていたら大丈夫なんですけど、止まるとダメ。それで他の人が喋っているシーンで、ずっと脂汗を流しながら“早く終われ、早く終われ”とか思ってました(笑)。それまで大病とかもしてこなかったんですけど。もうチラシとかもできてたんですが、どうしてもダメで、そのヘルニアのときに一度舞台に穴をあけました」