いわずと知れた宝塚歌劇団元トップスターの大地真央。退団後も、スカーレットを務めた『風と共に去りぬ』やイライザ役を演じた『マイ・フェア・レディ』にはじまり、数々のミュージカルで主演を務め躍進。退団から40年となる現在も、絶対的なオーラで舞台はもちろん、ドラマにCMにと多方面で輝き続けている。今年は意外にも映画では初主演となる『ゴッドマザー』も公開。そんな大地さんのTHE CHANGEとは――。【第3回/全4回】

大地真央 撮影/三浦龍司

 近年の活躍はもちろんのこと、宝塚歌劇団時代の伝説もいまだ語り継がれ続けている大地さん。THE CHANGEの編集者の家族も、宝塚時代の大地さんの舞台を多く観ていた。そこで、特に月組トップスターになる直前、1982年の公演『あしびきの山の雫に』のラストが素晴らしかったという感想を伝えた。

「あの演技は私が自分で考えたんです」と大地さんから秘密を聞くことができた。

 7世紀の宮廷を舞台とする古代ロマン作品の『あしびきの山の雫に』。天武帝を榛名由梨さんが演じ、その子である大津皇子を大地さんが演じた。

「最後、上がったセリから仰向けに体を半分出して反る形で散るんです。“危ないから”と言われたんですけど、“大丈夫です”と言って、やりました。大津皇子は無念を残しながら死ぬ。私、猫が好きなんですけど、猫が目を開けて死ぬところからヒントをもらって、私も目を開けたままそのシーンを演じました。でも紙吹雪は舞い落ちるし、ピンスポットは当たっているし、その日によってどん帳が降りてくるタイミングが遅かったり、瞬きしないのは、すごくキツかったですね。でも言い出しっぺだからしょうがない(笑)」