「ネガティブなことは心で思って、口に出すのはポジティブなこと」
――たとえばご自身の気分が落ちてしまったときに、今のような、過去に演じてきた役の言葉を思い出して背中を押されますか?
「意識的にはないですが、どこかに染みついている部分はあるかなと思います。それに落ち込むときは、どどどーんと1回落ち込めばいいんじゃないと思いますよ。そうすればもう上がるしかないですから。落ち込まないようにすることは不健康だし、そういうときはもうとことん落ち込む。よく乗り越えられない試練は与えられないとか言いますけど、最後には“絶対大丈夫”と思いながら、ネガティブなことは心で思って、口に出すのはポジティブなこと。そうやってあれこれ自問自答しているうちに、“私、なにやってるの”とクスっと笑えるようになります」
――“ネガティブなことは心で思って、ポジティブなことは口に出す”っていいですね。ちなみに大地さんは言霊は信じますか?
「信じますよ」
――“こういうものをやりたい”といったことも口にしますか?
「願望は言わないですね。今のハッピーな気持ちを口にする。ポジティブなこと。そのほうが幸せだし、口にしたことで“そうだよね”と思えますよ」
いつも輝いて見える大地さん。“ネガティブなことは心で思って、ポジティブなことは口に出す”。なるほど。
だいち・まお
1956年2月5日生、兵庫県出身。1971年に宝塚音楽学校に入学し、73年に宝塚歌劇団に入団。82年に月組トップスターとなり、一時代を築いた。84年に退団。宝塚歌劇団100周年を記念した「宝塚歌劇の殿堂」設立当初からの100人に選ばれ殿堂入りを果たしている。退団後の主演舞台は『風と共に去りぬ』『マイ・フェア・レディ』『エニシング・ゴーズ』『ローマの休日』『夫婦漫才』『最高のオバハン中島ハルコ』など多数。文化庁芸術祭賞大賞、菊田一夫演劇賞特別賞、松尾芸能賞演劇優秀賞ほか受賞歴も多数。主な出演ドラマに『越路吹雪物語』『最高のオバハン中島ハルコ』『正直不動産』など。映画、CMでも幅広く活躍中。2025年は映画初主演となる『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』が公開。
『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』
監督・撮影:曽根剛
脚本:池田テツヒロ
出演:大地真央、黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香、温水洋一、木村祐一、市川右團次
配給・製作:日活、東京テアトル