キネマ旬報新人賞、ブルーリボン新人賞などを受賞した主演デビュー映画『愛の新世界』から、強い輝きを放ってきた鈴木砂羽。現在は俳優業のほかバラエティ番組でも活躍し、絵の才能や飾らぬ人柄も知られているが、悩みが多かった時期もあったという。仕事から体調面まで、包み隠さず語る鈴木さんのTHE CHANGEとは――。【第2回/全4回】

鈴木砂羽 撮影/三浦龍司

 94年の主演映画デビューから丸30年を過ぎた鈴木さん。多岐にわたる活躍を見せ続けているが、ターニングポイントを挙げるといつになるのか。

「10代、20代、30代、40代、そして50代と、各年代ごとにチェンジしていると思います。何も知らずに生きてきた10代から、20代で芸能界に入った。やっぱりそれは大きなチェンジですよね。今までの暮らしとは全く違う世界に入って、天真爛漫といえば聞こえはいいけど、ちょっと傍若無人な時もありました」

――そうなんですね(笑)。

「そこを過ぎて30歳になり、“ついに大人だな”と感じました。役者としてのキャリアのことも考えるし、恋愛や結婚についても考える時期でもあります。特に女性としては、女としてどう生きていくかということも考える。“私もそろそろ結婚したりするのがいいのかな”と考えるようになったりして、仕事と恋愛の両立を考えるようになる。“結婚は?”“子どもは?”と。悩んでいるうちに30代は過ぎていく」

 鈴木さんは38歳のときに結婚し、41歳で離婚している。

――30代は悩める時期でした?

「そうですね。30代の前半は恋愛のほうに意識が傾いていたかな。だけど中盤くらいから、俳優として頑張りたいという思いが強くなっていった。そこから後半くらいにまた、違うチェンジが来ました」

――それはどういった変化だったのでしょうか。

「本当に私らしく、私として生きるにはどうしたらいいんだろうと思ったんです。それまでどこか“女優さん”というマスクをかぶせられている気がしていました。“女優さんって、こういうものでしょ”“女優さんはそんなことしちゃいけないのよ、そんなことしゃべっちゃいけないのよ”と。だけど、もっと自分の言葉や自分の感覚で生きていきたいと」