俳優としてはもちろん、エッセイや絵本の作家としても知られる室井滋。早稲田大学在学中に「自主映画の女王」として名を馳せ、1988年にスタートした小林聡美、もたいまさこ共演のドラマ『やっぱり猫が好き』で一躍、人気者になった。その後も映画『居酒屋ゆうれい』『のど自慢』『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、ドラマ『菊次郎とさき』『七人の秘書』と存在感を放ち続ける室井さんのTHE CHANGEとは――。【第3回/全3回】

1981年に商業映画デビューした室井さんだが、一般的な知名度を飛躍的に上げたのは、1988年からフジテレビ系列で放送されたシチュエーション・コメディ『やっぱり猫が好き』だろう。ここで長女役のもたいまさこさん、三女役の小林聡美さんとともに、恩田三姉妹に扮して、深夜枠でのスタートながら支持を得た。
――三姉妹のやりとりがとても面白かったですが、あれはみなさんのキャラクターをシナリオライターさんが、あて書きしていったのでしょうか。
「私が演じた次女のレイ子は、ぶっ飛んだキャラクターで、もともと売れない女優という設定があったんだけど、勝手にスナックの“赤さそり”にいるんだとか喋りだして。そこでアルバイトしているとか、どんどん設定が足されて骨組みがしっかりしていきました。だからアドリブから始まった設定も多いんです。そうやってキャラクターが膨らんでいって、それをまたシナリオライターの方が見て、肉付けしていくという感じでした」