向井理も信頼を置く、家族思いの北村

──そうなんですね。

「だって、例えば野島の妻が、冷蔵庫から缶ビールを持ってきてくれた場面がありますが、“まずは『ありがとう』でしょう!”と思いました。“そんな当たり前のことも言えないんだ、こいつは”と。
 とはいえ、家族とここまで溝が生まれてしまったのはなぜなんだろうと思いますけど。気づかぬままに、時間をかけて、どんどん距離が離れていってしまったんでしょうね。仕事第一主義で、家族をないがしろにして。僕も仕事は大切ですし、役者バカでしたが、独身のときとは意識が違います」

──以前、ドラマ『先生のおとりよせ』(2022)で向井理さんと北村さんのおふたりに取材させていただいたことがあります。そのとき、向井さんが「北村さんはご家族をすごく大切にされている。だから信頼できる」とお話しされていました。そしてそれを受けた北村さんが、飛び上がらんばかりに喜ばれていて。

「ああ、あのときの取材(笑)」

──あのドラマの撮影の際には、子どもが学校でその日あったことを報告するように、家に帰ったら、現場で起きたことをご家族に報告されていたとも。

「“今日の理ちゃん報告”ね(笑)。していましたね」