「“これは相当な覚悟がいるな”と思いました」終戦から80年。軍人のフランク・ハーン役を演じる
──「言えない」というのは?
「いろいろな角度から戦争について学び、“これは相当な覚悟がいるな”と思いました。日本人もアメリカ人も、戦火の中で人を殺めてしまったら、その傷は一生残ります。フランクさんも自分の仲間が殺されたり、あるいは自分が相手の仲間を傷つけていた可能性もあるなかで、戦う国の女性に恋心を抱き、言葉にした覚悟の重さに、まだ戸惑っています」
──恋愛にとどまらない、大変重いテーマを扱っている舞台ですね。
「愛する心だけではできない役だと感じています。時代背景を知っても、当時の人々と全く同じ感情を持つことは不可能です。ただ、僕にとってはどの舞台でもそうですが、役を演じること以上に、演じたその人の思いをしっかりといまの世の中に伝えることが大切な仕事なんです。ひとつの作品が終わると毎回、もっとできたかもしれないと思うほど、難しいミッションですね」
