戦争の最中、たしかにあった“愛の物語”を後世につなぐ

──桂子さんは94歳で存命ですが、史実をベースにした物語ゆえに心がけたいことは?

「桂子さんにも喜んでいただける舞台にする、ということはもちろん思っています。ただ、ドキュメンタリーをそのまま舞台化するわけではないので、エンターテインメントとして、戦争がもたらした側面と、愛の物語の両方をお客様に伝えていくことが目標です。それが、あの時代を生きた方々へ僕ができることです」

──そのために、このカンパニーではどのように舞台を作っていきたいでしょうか。

「まずはフランクさんにとっての桂子さんのように、(桂子さんを演じる)奈緒さんを大切にすること。そして演出家やスタッフのみなさんも味方なので、ひとりで悩まないで稽古場でもらったものを、僕のお芝居として返していきたいです」