軽い気持ちで参加したオーディションから、人生が激変

 実家のある高知県から、レッスンや仕事がある日は飛行機で上京しての二拠点生活と、生活は激変した。

「小学6年生のころから、毎週土日は東京に通ってレッスンを受けていました。歌、ダンス、演技、マナー、ポージング、ウォーキング……語学のレッスンもありました。東京に来ても、もちろん遊ぶ時間なんて全然なくて、しんどかったです」

──語学もあったんですね。

「英語だけでなく、中国語や韓国語も勉強しました。座って授業を聞いているだけでよかったので好きでした。正直、当時はいかにサボるかしか考えていなかったですね……(笑)。特に、前に出なきゃいけない歌、ダンス、演技のレッスンは本当に嫌いで。いま思えば、本当にありがたい環境なのですが」

尾碕真花 撮影/有坂政晴

──そのころはまだ、お芝居をやってみようという気持ちにはならなかったのでしょうか。

「そうですね。昔から好き嫌いがはっきりした性格で、レッスンも楽しくないからもう辞めたいです、と中学3年生のときにマネージャーさんに言いました。つらかったというより、“(演技に)興味もないし、勉強もそんなに頑張りたくないから、地元の高校に行きたい”って、甘い考えでいました」