何気ないあの日の選択が、いまの尾碕の道につながっている

──でも、結果的に続けることになりましたが、思いとどまったきっかけは？

「事務所から電話がかかってきて、東京の学校に通えて“制服も新しくなってめっちゃ可愛いよ”って、写真を見せられて。それを見て“じゃあ、行きたいです”ってなりました（笑）」

──けっこう、軽いきっかけだったんですね。

「そのとき電話してくれた方は、いまの社長なのですが、演技の特別レッスンもつけてもらったり“目をかけてもらっているんだな……”と思い直して。お仕事を続けることにしました」

　いまの活躍からは考えられないような、当時の気持ちを明かした尾碕。そのときには軽い気持ちだったかもしれないが、作品づくりの現場で芝居心を開花させていく道を選んだ。

（つづく）

尾碕真花（おさき・いちか）
２０００年１２月２日生まれ、高知県出身。２０１２年に第１３回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。２０１６年に俳優デビュー。２０１９年にスーパー戦隊シリーズ『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のヒロイン・アスナに抜てきされ、同シリーズで３作映画に出演。２０２２年にはＮＨＫ大河ドラマ『鎌倉殿の１３人』に出演し、２０２４年に連続テレビ小説『虎に翼』（ＮＨＫ）に出演。２０２５年は『コールミー・バイ・ノーネーム』（ＭＢＳ）で連続ドラマ初主演を経験し、３月にもドラマ『介護スナック ベルサイユ』（東海テレビ・フジテレビ）で主演