今回登場してくれるのは、来年にデビュー50周年を迎える女優の石田えりさん。大女優として第一線で活躍を続けられる理由や、年齢を重ねてから始めた意外な趣味まで、とことん語り尽くしてもらいました。【第2回/全2回】

――32歳のときは世界的に著名なカメラマン、ヘルムート・ニュートン撮影の写真集『罪-immorale-』を発表されました。
「撮影場所に指定されたパリのホテルに行ってドアを開けたら、SMの衣装や機材がいっぱい並んでいました。思わず、帰ろうかと思いましたね(笑)」
――そういうシチュエーションで撮るとは、聞かされていなかったんですか。
「全然。聞かされてないことばっかりやっていますね(笑)。私が泣きつくところがないようにするためか、マネージャーさんなしで、一人で来いって言われました。私も相当な覚悟で臨みましたよ」
――それじゃ、撮り終わったときには、すごい達成感が……?
「ないない(笑)。撮影自体が朝7時から夜10時までの重労働。くたくたで疲労感しかなかったです」
――でも、30万部のベストセラーになったのだから、やって良かったなって思ったんじゃないですか。
「運命ですから。あれだけの覚悟と労力を注いだんだから、悪い結果が出るはずはないですよ。
でも、『VOGUE』誌のカメラマンも務めたヘルムート・ニュートンとの仕事は、本当にできると信じていました。念ずれば、地球の裏側にも届くんだと思いました」
――その次は56歳のときに、写真集『56』でもヌードに挑戦しています。
「実は『罪』を出した後にも写真集を出したんですが、私自身が盛りの過ぎた豚みたいで……。しかたなく受けたこともあって、結果があまり良くなかったんです」