ドラマ『木更津キャッツアイ』でモヒカンヘアーのうっちー(内山はじめ)役など、個性的なキャラクターで強い存在感を放つ俳優・岡田義徳。芸能生活はすでに30年以上、プライベートでは2児の父でもある。そんな彼にとっての「CHANGE」について話を聞いた──。【第3回/全3回】

岡田義徳 撮影/有坂政晴

 10代半ばから芸能界で活動してきた岡田さんだが、30代後半には一度俳優業から離れる決断をした時期がある。

「それまで籍を置いていた事務所を辞めて、次の事務所を探していたんですが、なかなか決まらなくて。その齢で一回事務所を辞めちゃうと、これから自分はどうしようか……みたいなことを色々考えることがあったんですよ。別の仕事探してみたりとか普通にバイトをやってみたりとか。いい歳こいて履歴書書いてバイトの面接受けに行ったり……そんな38歳、39歳でしたね」

──面接の際に「岡田義徳さんですよね?」と聞かれることはありませんでしたか。

「ありましたね。でも、そのせいで“他のスタッフやアルバイトさんに気を遣わせてしまうから”という理由で断られることが多かったんです。そんな中で、唯一働くことができたのが派遣会社の現場作業でした。渋谷にある会社で、いわゆる肉体労働を一年ほど経験しました」