役者人生43年、“顔面凶器”とも称される唯一無二の俳優・小沢仁志さん。自身のこれまでを振り返った著書『波乱を愛す』がこのほど刊行される。そこに紡がれた言葉をもとに、俳優、そして映画監督として重ねた日々、人生の転機や偉大なる先輩たちの思い出などをうかがった。

人生の転機となった小学6年の出来事から、最近の芸能界についてまで、まっすぐな言葉で語る小沢さん。「俺は俺らしくだよ」という信念のもと、時代に合わせるのではなく、自分のスタイルを貫く俳優の言葉は一つ一つが深く響く。【第1回/全4回】
これまであまり語られてこなかった幼少期からデビュー前までのこと、若手時代のエピソードなどを書き下ろされた『波乱を愛す』。小沢仁志さんの役者人生のさまざまな転機が描かれているが、小沢さんにとっての“CHANGE”というと、どの時期になるのだろう。
「俺が思う人生の転機って、小学6年生のとき、チャップリンの映画を見て、“役者をやりたい”って思ったところじゃないかな。そこから“役者になりたいんだ”っていう思いを持ち続けてきたし、言葉にしてきた。そうすると巡り合うきっかけになるんだよね。例えば、もしもそう思ってない人にその機会が降ってきたとしても、“俺、興味ない”で終わっちゃう。だから“役者になりたい”と思ったことが、俺にとっての転機だよね。すべてのスタートはそこ」