役者人生43年、“顔面凶器”とも称される唯一無二の俳優・小沢仁志さん。自身のこれまでを振り返った著書『波乱を愛す』がこのほど刊行される。そこに紡がれた言葉をもとに、俳優、そして映画監督として重ねた日々、人生の転機や偉大なる先輩たちの思い出などをうかがった。
人生の転機となった小学6年の出来事から、最近の芸能界についてまで、まっすぐな言葉で語る小沢さん。「俺は俺らしくだよ」という信念のもと、時代に合わせるのではなく、自分のスタイルを貫く俳優の言葉は一つ一つが深く響く。【第2回/全4回】

俳優としてのキャリアを重ねながら、一方では1995年には『SCORE』で映画監督に挑む。映画制作は、その後の活動の重要な軸にもなる。
「映画『殺し屋&嘘つき娘』(1997)のときだけど、松竹の宣伝部からFAXが来るわけ。マスコミの反応はこんな感じです、って。でも、そこに書いてあるのは良いことばっかりなんだよね。そんなわけないだろ、と思ってよくよく聞いてみたら、宣伝部のほうで好意的な意見だけまとめて俺に見せてたわけ」