次に進むためには“批判”を積極的に取り入れる
「いや全く意味ねぇだろ、と。批判的な意見のほうも持って来いよ、と言ったら、5倍ぐらいの厚さの紙の束が届いたね(笑)。でもね、それ読んでると俺も気づいてないようなことが見えてくることがあるんだよね。批判は勉強になるけど、褒(ほ)められるほうでは勉強にならない。次に行くためにはどっちかというと、批判のほうがありがたい」
監督の経験は小沢さんにとって、忘れられない出来事が多いという。
「初監督の『SCORE』のときに“こう”(狭い視野に)なりすぎちゃって、もう入り込みすぎちゃってるわけ。毎シーン地獄だったからさ。スタッフもみんな麻痺(まひ)しちゃって、1日生き残るのがせいいっぱいという感じ。“ここはこうなんじゃないですかね?”という意見も出てこない。元気がないからさ(笑)。そうなると、どんどん自分だけの世界になっちゃう。だから、周りのいい意見は取り入れるっていうのは、すごく大事なんだよ。『SCORE』のときは、出来上がってみたら(映画監督の)奥山(和由)さんに“こんなの当たるわけねぇだろ”って。二人っきりで見た松竹の試写で、言われたよね(笑)」