役者人生43年、“顔面凶器”とも称される唯一無二の俳優・小沢仁志さん。自身のこれまでを振り返った著書『波乱を愛す』がこのほど刊行される。そこに紡がれた言葉をもとに、俳優、そして映画監督として重ねた日々、人生の転機や偉大なる先輩たちの思い出などをうかがった。
 人生の転機となった小学6年の出来事から、最近の芸能界についてまで、まっすぐな言葉で語る小沢さん。「俺は俺らしくだよ」という信念のもと、時代に合わせるのではなく、自分のスタイルを貫く俳優の言葉は一つ一つが深く響く。【第3回/全4回】

小沢仁志 撮影/有坂政晴

 1984年に『スクール☆ウォーズ』に出演、注目を集め、その後、数々の名優・大俳優との共演を重ねた小沢仁志さん。本書の中でも<名優たちが教えてくれたこと>という章で、さまざまなレジェンドとのエピソード……エピソードというよりは、“実録”というような迫力の出来事が描かれている。

「先輩たちは何も教えてくれない。基本は何にも言ってくれない。だけど、本気でちゃんとぶつかっていくと、ガツンと来るけど、なんだかんだ言って気にかけてくれたりする。
自分からぶつかっていかないと、わかんないじゃん。目の前にでかい壁があったらぶつかってみる。そういうのが勉強になったし、先輩たちの所作、あのカッコ良さ、堂々とした振る舞い。全部が焼き付いてるよね」