いまも胸に残る、巨匠・大林宣彦監督のひと言

「そのときにチャップリンへの思いを話したら、“それ間違ってないよ。喜劇には必要な泣き笑い怒り、哀愁、そういうもの全てが含まれてるんだ。そのまま行きなさい”って言ってくれたんだよね。すごく沁みて、いまでも残ってる。間違ってねぇんだな、って。ちなみに、そのときのシンポジウムで映像を渡したプロデューサー5人いたかな。そのうち、3か国に行ったからね。行ってみるもんだよね」

 最後に、自分を見つけられない若者も多いと思うので、アドバイスをいただければ、とお願いすると、明快な答えが。

「よくさ、自分探しとか、言うじゃん。そんなのを探しに行ってどうすんだよ、って俺は思うよ。簡単なんだって、<自分が何をやりたいか>から<どうあるべきか>に変わる。その<何をやりたいか>が見つからないんだろうけど、俺はたまたま小学校6年生のときのチャップリンを見て役者になりたいと思ったけど、何かのふとした拍子に、求めてるやつにはサインが来る。求めてるから、転機がくる」