苦しいこと、楽しいこと、そのすべてが詰まっていたAKB48。その時間が自身を強くしてくれた

──とはいえ、体力的、精神的にキツいときもあるのでは?

「ありがたいことに、わたしは10代後半がナンバーワンでキツかったので、たいがいのことはキツいと思わなくてすむんですよね(笑)」

──というと、AKB48のメンバーだったころは、心身ともにつらかった?

「ホントにキツくて、ホントにホントに楽しかった! 素晴らしい景色をたくさん見せてもらったし、当時のメンバーは家族みたいな存在だし、あの日々には感謝しかないんですけど、毎日毎日レッスンとお仕事で学校にほとんど通えず、遊びにも行けず、精神的にも大変だったのも事実です。“10代のときにあれだけ頑張れたんだから大丈夫”というマインドで、パワーアップできているような気がします」

川栄李奈 撮影/有坂政晴

 アイドル時代に鍛えたメンタルで、俳優とママの二足のわらじを颯爽(さっそう)と履きこなしている川栄だが、アイドルのころは自分らしさについて悩んだこともあったという。

「わたしがいたグループは人数がすごく多かったので、自分らしさをどう出せばいいのか難しかったです。だから自分なりのキャラを作って頑張っていました。わたしは普段よりめちゃくちゃテンションを上げてテレビに出ていたけど、やっぱり作ったキャラはどんどんしんどくなってくるんですね」