のびやかな歌声と中毒性のあるフレーズで、“ダリダリ旋風”を巻き起こしたヤイコこと、シンガーソングライターの矢井田 瞳さんが、デビュー25周年を迎えた。大ヒット曲『My Sweet Darlin’』をはじめ、赤い羽根共同募金のCM曲『やさしい手』や『靴音』、ドラマ『ビターシュガー』(NHK)の主題歌『間違いだらけのダイアリー』、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)の主題歌『アイノロイ』など、時代を彩るナンバーを多数放っている。本取材では、第一線で輝くヤイコの人生における“THE CHANGE”に迫っていく!【第1回/全5回】

2000年に、『B’coz I Love You』でメジャーデビューした、シンガーソングライターの矢井田 瞳さん。愛内里菜さんや倖田來未さん、水樹奈々さんなどの同期デビューのアーティストのなかで、ギターを弾き、自ら作詞作曲を手がける独自のスタイルとみずみずしい存在感で、たちまち音楽ファンを虜(とりこ)にした。
それから25年を経たいまも、デビュー当時を彷彿(ほうふつ)とさせる透明感あふれる佇(たたず)まいをまといながら、インタビュールームに現れた矢井田さん。そんなピュアな彼女が迎えた人生最大の転機とは?
「人生最大の変わり目は、19歳でアコースティックギターを買ったことです。それまでの私は、自分で言うのもなんですが、“いい子”だったんです。親からも、学校でもいい子だと思われたくて、真ん中のマジョリティ軍団に属していて、悪いチームやおとなしいタイプの子たちどちらとも仲良くなれるみたいな感じでした。習い事も“断ったらお母さん悲しいかな”って、親に言われるものを一通りやってましたね。
ほら、みんなそうかもしれませんが、子どもって割と親に気を遣っていたりするものだと思うので。特に自我みたいなものをグイッと出すこともなく、“あ、この状況ではこう立ち振る舞ったらいいのかな”って、常に選択しながら生きていました」