内面の自身とのギャップを埋めてくれたのは“音楽”だった
分厚いソングブックを片手にギターの練習に励んでいたというエピソードからも、矢井田さんの生真面目な性格が分かる。
「自分で曲を作りはじめてからは、より喜びが増しました。それまでは、表向きの自分と、心の中でドロドロしたりモヤモヤしたり、解決してないようなものを抱えていた自分との落差があって、すごく生きづらいなと思っていたんです。でも、曲を書いたときに、その高低差みたいなものがぐっと埋まったというか。“はあ、すっきり~”みたいな(笑)。アコギで曲を作り、自分の普段思ってることや本音、あとちょっとした醜い感情みたいなものも、作詞という観点で作品にしてしまえば、すごく美しくなることに感動しました。本当に楽しかったですし、人生が180度変わるような体験でしたね」
19歳で出合ったアコースティックギターが、人生を“THE CHANGE”したという逸話自体は、こう言っては失礼かもしれないが、思春期にはありがちな出来事かもしれない。ただ、矢井田さんのそれが特別なのは、現在も進行形で変わり続けていることだ。
