のびやかな歌声と中毒性のあるフレーズで、“ダリダリ旋風”を巻き起こしたヤイコこと、シンガーソングライターの矢井田 瞳さんが、デビュー25周年を迎えた。大ヒット曲『My Sweet Darlin’』をはじめ、赤い羽根共同募金のCM曲『やさしい手』や『靴音』、ドラマ『ビターシュガー』(NHK)の主題歌『間違いだらけのダイアリー』、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)の主題歌『アイノロイ』など、時代を彩るナンバーを多数放っている。本取材では、第一線で輝くヤイコの人生における“THE CHANGE”に迫っていく!【第4回/全5回】

矢井田 瞳 撮影/冨田望

 デビュー25年周年を迎え、いまなおピュアな存在感を携え続けるシンガーソングライターの矢井田 瞳さん。ミリオンヒットを飛ばすなど、華やかなキャリアの裏で、幾度もピンチに遭遇してきたという。

「このままのスピードで走り続けていたら、ポキッと折れちゃいそうだな……という、漠然とした不安が大きくなり、2008年ごろ“休もう”と決意しました。決心できたのは、母親になれたらうれしいな……という、プライベートな願いもあったからです。
 私が止まると、周りの人たちもストップしてしまいます。性格的に、スタッフさんなど関係者の方々に、私の復帰を待っていただくのは心苦しくて……。なので、そのときに所属事務所やレーベルの契約など、全てを白紙にしたんです。自分で選んだことだから、不思議な清々しさはあったんですが、これまでの支えや後ろ盾が何もなくなってしまったから、“これはかなりピンチだぞ”って思いましたね」