4年ぶり、3度目の出演になる「劇団☆新感線」の作品

『爆烈忠臣蔵』は、江戸時代を舞台に『忠臣蔵』を上演するため、愚かしいほどに芝居作りに奔走する役者たちの情熱を、笑いを交えてたっぷりと描く。

 そして向井が演じるのは、狂言作者の真狩天外と、芝居を取り締まる幕府の役人・藤川采女の二役。しかも本作の製作発表で脚本の中島かずき氏が「向井くんにドラマを背負わせてばかり」と期待する役どころだ。それでも、向井はイメージ通りの物静かな口調で気概を語っていった。

──ご自身では、今回の役どころをどう捉えていますか。

「この舞台は、抑圧されている者たちのドラマです。幕府に芝居を弾圧されている役者たちに、僕が真狩天外として芝居を書いているのですが、同時にその役者たちを抑えつけているのも、僕が演じるもう一人である藤川采女。抑えつける采女がいないと、この『爆烈忠臣蔵』の核になる役者たちの情熱が見えてこない。そういう意味では、物語のきっかけとなる、重要な役どころですね」