1981年10月『センチメンタル・ジャーニー』でデビュー。数々のヒット曲やバラエティ番組での自然体なスタンス、「理想の夫婦」と言われるヒロミさんとの仲睦まじい関係性が長く愛されている松本伊代。“還暦”となる今年、10月4日と5日に開催するコンサートは「Sweet Sixty」と題される。16歳で歩み出したSweet Sixteenから今また歌に向き合うSweet Sixtyへの軽やかな足取りを聞いた。【第3回/全3回】

松本伊代 撮影/有坂政晴

 デビュー40周年を機に音楽活動を本格的に再開した伊代さん。その時のヒロミさんのスタンスは自然体だったという。

「その時だけじゃなく、以前から“なんで歌わないの?”、“歌ったらいいじゃない”みたいなことは言っていて、もっと歌手やったらいいのに、というのは言ってくれていました。そこは自然な感じでした。 私は、一時、『センチメンタル・ジャーニー』を歌いたくないなという時があったんです。“16だから”というところがちょっとだけ引っかかって(笑)、避けてた時期があったんですけど、だんだんと、(筒美)京平先生にも湯川(れい子)先生にも、曲自身にも申し訳ない、って思うようになったんです。ちゃんと歌ってあげたいな、って。そんな時にヒロミさんに“やってみなよ”と後押ししてもらったのは大きかったです」

 バラエティ番組などでも「ヒロミさんは細かいことを考えている、私はどちらかというと寝たら悪いことも忘れちゃう」と、お二人の性格について話しているが、そのスタンスは対照的だという。