HKT48の“はるっぴ”として人気となり、第8回AKB48総選挙では自己最高の第9位に輝くなど、アイドルとして絶好調だと誰もが思っていたときに、うつ病を発症して活動休止。復帰後は俳優として活躍する、兒玉遥のTHE CHANGEとは──。【第2回/全4回】

兒玉遥 撮影/有坂政晴

 HKT48のオーディションに合格し、アイドル候補生として歩み出した兒玉遥の、最初のハードルはダンスと歌だった。

「とにかく、ヘタクソでした……。スタートラインにすら、立っていない。みんなができることが、何ひとつできない。劣等感というか、足りない部分を必死で埋めようとあがく日々でした」

 自分ではまだ「何もできていない」という状態でセンターに指名。

「うれしさよりも、不安でしかたがなかったのを覚えています」

 2011年11月26日、福岡市のHKT48劇場で初公演。翌12年、AKB48の指原莉乃が加入し、13年には『スキ!スキ!スキップ』でメジャーデビュー。「AKB48シングル選抜総選挙」で兒玉遥は着々と順位を上げ、16年には9位を獲得。HKT48、そして“はるっぴ”の人気が高まっていく中で、彼女のメンタルは悲鳴を上げていた。

「最初は、眠れないことから始まりました。やがて、精神的に不安定になって、自分の容姿がイヤでたまらなくなり、振り付けや歌詞が覚えられなくなっていきました」