2024年、全国13か所の公演で好評を博した舞台『大誘拐』~四人で大スペクタクル~が2025年の秋、帰ってくる。本作で主人公となる戸並健次を演じるのは中山優馬さん。柴田理恵さん、風間杜夫さん、白石加代子さんという演劇界のレジェンドともいえる顔ぶれとの再びの共演に「前回は不安感もあったんですけど、今回はちょっと違いますね。わくわくしてます」と笑顔を見せる。キャリアを重ねる中で身に付けた自信とその転機となった瞬間をたっぷり語ってくれた。【第1回/全3回】

再始動となる舞台『大誘拐』~四人で大スペクタクル~。柴田理恵さん、風間杜夫さん、白石加代子さんという演劇界のトップを行く大先輩たちと再び相まみえることを楽しみにしていると語る中山さん。
「前回はお三方についていけるのかなっていう不安感もあったんですけど、今回は皆さんの出方がわかっているのでちょっと気持ちは違いますね。去年は衝撃を受ける連続だったので、衝撃を受け止めている間に終わっちゃったという感じがあったんです。
何が衝撃だったかというと、自由度の高さです。結局何をやっても成立させるというレベルのレジェンドと言える方々なので、お客さんを楽しませるために、現場でハプニングを……わざと起こすわけじゃないんですけど、何か事が起きる余白の部分を残して舞台に立つんです。その凄さをまざまざと感じました。
毎回、何を仕掛けてくるんだろう、みたいなのはありましたね。白石さんなんて、本番中に“風間さん、あなたは今どこ読んでいるの?”とか言い出したりするんですよ。それはそれでハプニングなんですけど(笑)。風間さんもキャラクターから一瞬だけ出てきて、“白石さん、今はねここ”って返したり(笑)。