憧れの先輩・戸塚祥太は「とにかく演技が素晴らしいんですよ!」

――ご自身の中でいろいろ考えて、試して撮影に臨まれていることが多いようですが、これまでに演技のレッスンなどしたことはありますか?

「僕は演技のレッスンを一回も受けたことがなくて、全部独学なんです。でも、以前所属していた事務所の人たちは基本的にみんなそうだし、先輩を見て学ぶのが基本でした。特に僕がずっと憧れている先輩はA.B.C-Zの戸塚祥太くんなんですけど、戸塚くんはとにかく演技が素晴らしいんですよ! 戸塚くんの演技を舞台の袖からずっと見させてもらっていたので、その影響もすごくあるかなと思います。

 何も分からなかったとき、身近に目標になる人や教えてくれる人がいた環境はめちゃくちゃラッキーでしたし、そういう環境で育ってきてよかったなと、昔も今もずっと思っています」

――2021年3月末をもってグループを脱退し、ソロとして活動をスタートされて4年ほど経ちましたが、ソロになってどんな変化を感じていますか?

「前だったら、僕が間違ったことを言っても、誰かが突っ込んでくれていたけど、今は僕が決めることや発言がすべてダイレクトにファンの方々へ届くので、責任感がより強くなりました。

 たとえば、風邪をひいても僕一人しかいないからコンサートは休めないし、どんなにぶっ倒れそうな状況でもやらないといけないと思っています。以前、昼の公演で肉離れを起こして、そのまま夜の部にも出続けたことがありました。それぐらいの気合いでやらないと、その日を楽しみに見に来てくれるお客さんもいるから。もしそこでキャンセルしたら、全部自分に跳ね返ってくる部分もあるので、そこは一人でやっているからこそのいいところでもあるし、その分の責任を感じるところでもあります」

 スタッフが媒体の説明をしている時や、カメラマンがポーズの指示をお願いしている時も、「はい」と一つずつ丁寧に返事をかえしてくれた岩橋さん。個人で活動する「責任」という言葉が何度も出たのだが、その重みを知ったからこそ、魅せてくれるものがきっとこれからもたくさんあるに違いない。

(つづく)

取材・文/根津香菜子

いわはし・げんき
1996年12月17日、東京都生まれ。2021年12月に1stシングル『My Lonely X’mas』でソロデビュー、23年3月にはアメリカの芸能事務所「Three Six Zero」とエージェント契約を結び、活動の幅を広げてきた。俳優としてドラマ「恋愛ルビの正しいふりかた」(TOKYO MX) に出演。

作品情報
「男神」
監督・脚本:井上雅貴、出演:遠藤雄弥、彩凪翔、岩橋玄樹、須田亜香里、カトウシンスケら。9月19日(金)より公開。