俳優・中島歩の姿は、NHKの朝ドラ『花子とアン』や大河ドラマ青天を衝け』、映画や配信ドラマ、ミュージックビデオなど多くの作品で目にしている。
 そのデビューは、2013年にパルコ劇場40周年記念公演『黒蜥蜴』で200名にもおよぶオーディションの中から選ばれたことだった。
 唯一無二の存在感を放つ人気俳優の重要な変化、「THE CHANGE」とはなんだったのだろうか?【第3回/全3回】

中島歩 撮影/片岡壮太

 舞台、映画、テレビドラマに、最近ではNetflixドラマ『離婚しようよ』など、幅広い活躍をみせつづけている中島歩さん。しかし話を伺うと、かつては現場で萎縮してしまい、俳優としての自分の表現を狭めてしまっていたという。

 そこで、いかにして中島さんの俳優人生が変わっていったのか、そのきっかけとなった人物との出会いについて聞いてみた。

「“好きにやっていいんだ”ということを教えてくれた人がいて、それはデヴィッド・ルヴォーというイギリスの演出家ですね。近松門左衛門の『心中天網島』をもとにした、中村七之助さん主演の『ETERNAL CHIKAMATSU』という舞台でご一緒しました。