瞬間瞬間で選んで行動している
──採算を合わせる……というのは、例えば寝る前に反省をするということですか?
「そういう時もあります」
──こんな風にお芝居をできたら良かったと思うことは?
「若い時は思っていましたけど、今はその時に正しいと信じて選択した表現なので、それはそれで正解なんだと思うんです。むしろなんでそうなったかってことを考えて、“それも自分なんだ”と思って吸収してしまうほうが良い方向に進めるんじゃないかと。それぐらい、やる時に考えてやっていますし。僕の仕事は、失敗したとしても、その表現を選択したことを面白がれないと面白いものは作れないと思うんです」

3年前のあるインタビューでは「座長でいる時は自分が引っ張るのではなく、引っ張られたい」と話していた。
「いまはあまり考えてないかもしれないです。今回のドラマ(『じゃあ、あんたが作ってみろよ』)では主役というポジションですが、自分が主役の現場では、やっぱり豊かに幸せな現場を送りたいじゃないですか。良い時間にしたいんです。そのために瞬間瞬間で選んで行動しているという感じです。その瞬間的に“自分が引っ張られたほうが現場が良くなるんじゃないか”と思ったら、周りの方に引っ張ってもらうスタンスを取るかもしれないです。主役を演じる時はこうだって決めない方が上手くいく気がしています。僕が主役の現場でこうするぞと決めつけてしまうと、そこから外れるときっと不安になってしまう。だから、その瞬間に決めるんです。そうすると、自分の型にハマらなくて済むので、そのタイミングで出会ったスタッフさんたちと良い関係を築けるんじゃないかと思っています」